ここでは7月に発表された調査結果(※)から、福祉施設等(以下、医療,福祉)における今年の賃金改定状況に関するデータをご紹介します。
上記調査結果から、医療,福祉の事業所の賃金改定状況をまとめると、表1のとおりです。
賃金引上げを実施した医療,福祉の事業所割合は62.9%で、前年より0.6ポイント増加しました。調査結果全体では42.8%なので、医療,福祉は20ポイントほど高い状況です。
次に医療,福祉で賃金引上げを実施した事業所の、平均賃金改定率をランク別にまとめると表2のとおりです。
医療,福祉全体の改定率は3.9%で、2023年より0.4ポイント増加しました。ランク別ではCが4.4%で最も高い状況です。産業計との比較では医療,福祉の方が低くなりました。
医療,福祉の一般労働者とパートタイム労働者の1時間当たり平均賃金額(6月分)と、その上昇率をまとめると表3のとおりです。
2024年の一般労働者計は1,601円で、賃金上昇率は2.5%でした。ランク別ではAが1,801円、Bが1,533円、Cが1,355円となりました。賃金上昇率はいずれも2023年を上回りました。
2024年のパートタイム労働者計は1,421円で、賃金上昇率は2.4%です。ランク別もあわせて2023年を上回り、賃金上昇率もすべて2%台になっています。
賃金引上げを実施した施設では、自施設の結果と比較してみてはいかがでしょうか。
(※)厚生労働省「令和6年賃金改定状況調査結果」
常用労働者数30人未満の企業に属する民営事業所から、層化無作為抽出により選定した16,373事業所とその事業所に在籍する労働者を対象にした調査です。回収率は31.4%で、ランクのAは埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、Cは青森県、岩手県、秋田県、山形県、鳥取県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県、BはAとC以外の道府県となります。