ここでは、今年2月に発表された調査結果(※1)から、医療機関等(以下、医療,福祉)の職員のストレスに関するデータをみていきます。
調査結果によると、現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安、悩み、ストレス(以下、ストレス)となっていると感じる事柄がある労働者の割合は、医療,福祉で88.3%でした。調査結果全体(以下、全体)の82.2%より6.1ポイント高い状況です。
なお、2021年の調査結果では医療,福祉のストレスを感じる労働者の割合は64.0%で、1年前よりストレスを感じる労働者が増加しています。
次に同調査結果から、ストレスがある医療,福祉等の職員における強いストレスの内容をまとめると表1のとおりです。
仕事の質が34.5%で最も多くなりました。次いで仕事の量、会社の将来性が30%を超えています。なお全体の結果では、仕事の量が36.3%で最も多く、次いで仕事の失敗、責任の発生等が35.9%でした。
同調査結果によると、医療,福祉の職員でストレスについて相談できる人がいる割合は、87.7%でした。ストレスについて相談できる人がいる職員の主な相談相手をまとめると、表2のとおりです。
家族・友人が77.4%で最も多く、同僚が72.9%、上司が59.3%で続いています。なお、実際に相談したことがある割合は82.0%で、相談先では同僚が最も多くなりました。
過度のストレスは生産性を低下させる要因になりますので、職員のメンタルヘルス対策は重要です。厚生労働省では、事業者も活用できるメンタルヘルスケアに役立つサイト(※2)を公開しています。関心のある方はこうしたサイト等を活用されてはいかがでしょうか。
(※1)厚生労働省「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)」
常用労働者10人以上を雇用する民営事業所から、産業、事業所規模別に抽出した約14,000事業所と、同事業所で雇用されている常用労働者および受け入れた派遣労働者のうち約18,000人を対象にした、2022年10月末時点の状況についての調査です。
(※2)厚生労働省「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトこころの耳」